東城玄音は「傾城の貴婦人」として名を馳せる太夫で、「幾度春」は彼女の所属する置屋である。噂によれば、彼女の住む家の庭は常に春のようで、花が散ることもないらしい。しかし彼女の居場所を知る人はおらず、普通の人なら、彼女に一目会うだけで非常に光栄なことである。
翡翠から彫られた、弦の切れている三味線を所持している。弦を張り替えることも、爪弾くこともないのに、いつも肌身離さず傍に置いている。その理由は、彼女の素性と同様に謎に包まれている。
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東城玄音
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- お初にお目にかかります。「幾度春(いくどはる)」の女将、東城玄音と申します。茶の湯とお座敷の準備はすでに整っとります。ふふ、旦那さんも「幾度春」のお馴染みになってくれはりますやろか。
- 今日お見えになったのは、対局をご所望どすやろか、それともほかのご用件で?
- この仔達が急にはしゃぎ出したのを見て、旦那さんがお見えにならはったんやとすぐにわかりました。ふふ、本当に、お待ちしとりました。
- 先日、ここを抜け出して遊びに行った仔がいるのんどす。かなりのイタズラっ仔どすけど、今はとある若いお方と一緒にいるそうどす。もしお時間があれば、探しとくれませんやろか?ちなみに、あの仔は真っ黒な毛色どすえ。
- 人は見かけによらずと言いますが、適切な装いも時には重要な武器となりえるもんどす。てゆうわけで、今日はどのアクセサリーをつけるべきか、ご助言さしていただきましょ。
- ここに残った人たちは、ほとんどが帰る場所を無くした子どす。そやけど同情はいりまへん。みんなは自らの情熱や愛で、ここを自分の本当の居場所にしたんどすさかい。もちろん旦那さんも、ここを自分の「お家(うち)」と思ってだいじおへんよってな、ふふふ。
- ヒーリさん?一飜市でとても有名な、あのサーカスの猛獣使いの方のことどっしゃろか?ふふ、旦那さんは冗談がお上手どすな。あないなお方と、うちのような身分の者が関わりを持てる由もあらしまへん。「幾度春」にいらはったんはほかの誰かをお探しになっとったんどっしゃろ……一体どなたどすやろか?もしかしたら……旦那さんに会いにお見えにならはったのかもしれまへんえ。ふふふ。
- 「幾度春」は確かに麻雀道場の経営はしとりますけど、商売というより、雀士の育成に重点を置いとるんどす。旦那さんはすでに、他三家の似たような道場にも足を運ばれてはりますよね?ふふ、緊張する必要はおへん。旦那さんは四貴人の他のお三方からも高う評価されてはると聞いただけどすさかいに。どちらにお越しにならはっても、こないに上客としてもてなされることどっしゃろ。
- うち日さす 宮道を人は満ち行けど 我が思ふ君は ただひとりのみ……。
- 何や、心ここに在らずのようどすな。何や悩み事でもおありどすか?もしよかったら、今日はうちが旦那さんの「解語の花」になるんはいかがどっしゃろ?
- 旦那さんもご存知の通り、この通りにある店舗はすべて「幾度春」の傘下どす。そやかてたとえ女将のうちでも、細かいところにはなかなか目が行き届きおへん。ふふ、ましてや、今のうちは旦那さんしか見ておへん。ほんま……旦那さんにはいつも心労をかけられるばかりどす。
- 旦那さんが来てくれはることより貴き贈り物(もん)はおへん。
- うちの立場ではお客様からいただいた贈り物を評価する資格はおへんけど……ふふ、やはり一番のお気に入りは旦那さんからの贈り物どす。毎度毎度、こない優しいお心遣いをしていただいたら、好きになってしまいますわ。
- 「幾度春」にうちが自ら接待をするお客様が現れたのは、ずいぶんと久しぶりのことどす。それだけ、旦那さんは「重要視」されとるのんどすえ。理由は……なぜどっしゃろね?ふふ、旦那さんの魅力に惑わされてしもた、とでも言いましょか。
- 「人間」ゆう言葉は、特定の種に対する呼び方であるべきやおへん。獣でも、化け物かて、人間の行動を模倣し、善意を示すよう努めとるなら、単に人間の皮をかぶっただけの存在などよりも、「人間」として扱われるに相応しいんやおへんか?
- もしいつか、うちが突然別人のようになったら、旦那さんはうちのことを怖がりますか?ふふ、ただの冗談どす。そないなことあるわけないやないですの。うちのことより、最近の旦那さん、初めていらはった時と比べて随分と肩ん力が抜けてきたように見えますえ。うちの手ほどきのおかげなら……嬉しいんどすけど?
- 「行き先を見失わず、初志を貫徹する」……言うは易く、行うは難し、どすえ。ふふ……。でも、旦那さんがそばにいてくれはったら、うちはなんでもやり遂げられそうな気ぃします。これからも、どうぞよろしゅうおたの申しますね。
- たとえ木が朽ち、弦が切れようとも、魂がある限り、爪弾(つまび)かれる音は決して絶えません。ふふ、その表情を見るに、どうやら旦那さんにもこの三味線の音が聴こえるようになったんどすな。
- 『史書』にはこないな記載があります。昔々、ある皇帝のところに妖狐が化けた妃がいました。皇帝はその妃を寵愛するあまり、国政が疎かになりました。やがて戦争が勃発し、国は滅びましたとさ……ふふ。旦那さんならうちのことを化け狐みたいやと言っても構しまへんけど、前提として旦那さんはうちのために「暗君」になってくださらなおへんえ。
- 旦那さん、おめでとうさんどす。ふふ、なんどす?驚かれはりました?確かに、伝統に則れば、こないな時「幾度春」の女将は町内をご挨拶回りするべきどす。そやかて……せっかくの新年どすさかい、身分や肩書を全て忘れて、ただただ旦那さんと一緒に過ごしたいいうわがままを許しとくれませんどっしゃろか?
- 「幾度春」ではこないな日を祝うことはあまりおへん、旦那さんに毎日この胸の高鳴りを感じてもらえへんのでは職務怠慢になりますさかい。そやかて、今この時旦那さんとこの祝日を共に過ごそう考えとります。贈り物は……この長き夜にいたしましょ。うちとお月さん、どっちが綺麗どすか?