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伝説の夜

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劇場ざんく 伝説の夜 伝説の夜 プロローグ それは表の世界では想像もつかない、魑魅魍魎が飛び交う社会の闇。とある雨の夜に、闇に降り立つ天才が生まれた。
そしてまた別の雨の夜、勝負の極地を渇望して、「天才」は「狂人」が籠城する邸宅に向かった。二人が出逢う、まさに逢魔が時、後に伝説となった夜が始まった……。
[???]
…...起きろ......起きろ......鷲巣......
[鷲巣巌]
い、痛たっ......。
[???]
ちょ、ちょっと、年寄り相手にこんな乱暴な起こし方はまずいワン!
[???]
くくくっ......心配ないさ、この鬼じじぃを起こすにはこれが一番手取り早い。
[???]
さっさと起きろ、鷲巣。
[鷲巣巌]
痛っ......な、何者じゃ......。
[???]
にゃ?指がびくっとした気がするにゃ?お兄ちゃんの言う通りにゃ。
[???]
それにしても、あんまりにも無茶苦茶だワン......
[鷲巣巌]
どこの馬の骨だ!?
[鷲巣巌]
退け、無礼者め!この鷲巣の頭を足蹴にしおって、いい度胸じゃ!
[赤木しげる]
くくくっ......ようやくお目覚めか、鷲巣。
[鷲巣巌]
アカギ貴様......今すぐ降りろ!誰がわしより高いところに立っていいと言った!
[赤木しげる]
お二人とも悪いな、机の上に立たせてもらって。
[鷲巣巌]
先にわしに詫びんか!......ところで、何だこのボロ神社は、わが屋敷にいたはずじゃが?どこだここは。
[一姫]
ぼ、ボロくはないにゃ!いきなり現れたと思ったら手始めに人んちの文句を言うなんて、失礼なおじいにゃんだにゃ!
[鷲巣巌]
ええい、そんな事はどうでもよい!勝負じゃ......アカギ、わしと貴様の勝負はまだ終わってないぞ!
[赤木しげる]
……そうだったな。何があったか知らねぇが、続けよう、どちらかが倒れるまで。
[鷲巣巌]
わしの下僕とあのアホ面の警察はどこにいった?まぁいい、わしとお前の勝負じゃ、コンビは誰とでも構わん!ネコの妖怪よ、ここに麻雀卓はないか?
[一姫]
誰がネコの妖怪だにゃ!あのバカ犬はともかく、一姫は正真正銘の神様だにゃ!
[ワン次郎]
こっちのセリフだワン!雀卓ならあるが......
[鷲巢嚴]
神だと?ふざけたことを、神などわしの下僕!召使いに過ぎぬわ!
[赤木しげる]
そうだな、こんな可愛らしい神様がおまえの前に現れるはずがない。おまえが会うのは死神だけだ。
[鷲巣巌]
カカカッ!笑止、死神に会うのは貴様じゃ!さっさと雀卓に案内しろ、でなければわしが探し出してやる
[一姫]
にゃ……失礼なだけじゃなくてわがままだにゃ。
[ワン次郎]
兄ちゃんも兄ちゃんで人の頭を踏むなんて、何の仇か知らないがさすがにやりすぎじゃないか。
[一姫]
どうするにゃワン次郎、二人とも行ってしまったにゃ。
[ワン次郎]
ついていくしかないか……客人を放っとく家主なんていないワン。それに、早くいかないと見失っちまいそうだしな……
伝説の夜 エピローグ [???]
……起きろ……起きろ……..鷲巣……..
[鷲巣巌]
い、痛たっ……。
[???]
さっさと起きろ、鷲巣。
[鷲巣巌]
痛っ……な、何者じゃ……。
[鷲巣巌]
いったいどこの馬の骨だ!?
「狂人」が目を覚ました。すべてを失うそのギリギリの境界線上から、闇の王と呼ばれる男は超人の執念で最後の戦場に這い戻った。
まるで夢を見ていた気分だ。半睡半醒の脳にはあの妙な姿をした二人の輪郭が鮮明に浮かんでいる。たしか「神」と言っていたか……。
くくくっ……おいおい鷲巣、老いぼれたか。おまえに神なんて現れない。
[赤木しげる]
おまえの前に現れるのは『死神』だけだ。
[鷲巣巌]
カ……カカカッ!その通りだ、アカギ!お前もそうだ!んなふざけた夢などありえやせん!今夜貴様とわしを迎えに来るのは死神以外誰もおらぬ!