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ハンナと組む

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エインを選んでもゼクスを選んでも、選ばなかった方が何か暴走するに違いない。自分の身の安全を考えて、この二つは避けよう。
うーん、決めた。ハンナと組むよ。
そう言うと、三人とも驚きの表情を見せた。ハンナは両手で口を覆い、嬉しそうにしているが、横にいるエインとゼクスはあまり嬉しそうに見えない。
PLAYER、もう少しよく考えた方がいいんじゃないか?
エインは笑顔を保ってはいるが、美しい金の瞳は細められている。まさに、獲物を見定めた捕食者の目だ。
比較的落ち着きを保っているエインに比べ、ゼクスは目に見えてイライラしていた。
このクソギツネと組めってか? ダメだ、やってらんねェぜ!
奇遇だな、俺もそう思ってたとこだ。
今にも乱闘が始まりそうな空気に、私はハンナを引っ張って待機エリアへと向かった。
そんなやり取りの後、私達はスタッフの人に教えてもらいながら装備を身に付け、一人一つ、レーザー銃とダミーのナイフが配られた。攻撃の当たり判定はコンピューターが自動で行う仕組みになっているようだ。バトルフィールドに入る前に、二組に分かれた私たちはそれぞれの陣地へ案内された。
アナウンスで号令が出ると、すぐさま陣地からフィールドに出て、宝探しが始まった。
……もう十分もあさいじゃあばって、エインもゼクスもいねぇの……なんが変でねが?
こっちよりも動けるスピードは速いはずだから、もう宝物を見つけちゃったとか……?
心配ね! 速さだば、だもわの右さ出ねはんで!
私が負けちゃうんだって!
わがPLAYERとば背負ってけら! わの力ど速さあれば、おめば背負ったままでもあの二人より速ぐ動げるはんで。
赤チームの脱落が確定しました。今回のゲームは青チームの勝利となります。
……ハンナ、青チームってこっちだよね?
まだ宝も見っけでねんだばって……
でも、こっちが勝ったみたい……様子を見に行こう。
ハンナと待機エリアに戻ると、ムスっとしているゼクスとエインがいた。スタッフの人に話を聞き、こちらがあっさり勝利出来たのは、ゼクスとエインがお互い「不注意」で相手の頭を撃ち抜いてしまったからだとわかった。
おっかねな……この銃、味方にも効ぐんずな……
うちは平和的なチームでよかったよ。やっぱり、ハンナが味方だと安心だね。
したばって、始まる前に終わってまって、がっかりしたじゃ……
ぴくぴくと動いて聞き耳を立てている四つの耳に気付いた私は、大きな声でみんなに声をかけた。
コホン。確かに少し物足りないし、もう一回やろうよ。今度は違うチームでさ。
本当か?
俺はいいぜ。
思った通りだ、あはは……元気いっぱいの狩人さんたちを満足させられるまで、体力が持つといいけど。
待てよ……今回の獲物は私だけ? ……いや、まさかね。