[選択肢]
・隅にあるキャットタワーを見てみる
・近くの観葉植物の後ろを探してみる
[-]隅にあるキャットタワーを見に行くことにした。人影に近づくとやはりA-37だった。しゃがんで猫たちの毛を梳いている。
[プレイヤー]礼奈ちゃんってこの前、catchatでウサギを飼いたいって言ってなかったっけ。なんでこんなに猫を飼ってるんだ?
[A-37]元々は別の公園の野良猫だったようだが、餌をやったらここに棲みついてな。
[プレイヤー]そういうところ、子猫らしいね。
[A-37]子猫だろうと、こいつも店に居つく以上は自分の価値を示さねばならない。タダで猫缶は出ないから、頑張って客の機嫌を取らないと。
[プレイヤー]人間と猫との友情をそういうビジネスライクな冷たい関係みたいに言わないで?
[A-37]別の言い方をするなら、自分の力で食料を獲得する方が、道行く人間の憐れみを期待するよりよっぽと賢い選択だ。
[-]ハクはA-37の言葉が分かったかのように、にゃんにゃんと鳴いた。この目で見ていなければ、A-37のような一匹狼が猫たちに囲まれて楽しそうにしているなんて信じられないだろう。
[A-37]店長から話は聞いた。今日から君がスタッフに入るため、店内を紹介してやってくれと。
[プレイヤー]店長からのご命令があるんだね。
[A-37]……店長の命令は別として、ボディガードとしては、君を見守りながら仕事をする方が安心できる。なんせカフェだ、怪我を負うようなハプニングは頻発する。
[プレイヤー]カフェで、怪我?
[A-37]カーペットに潜むガラスの破片や、指が切れるほど鋭利なトレーの縁。謎の物質が入った怪しい飲み物に加え――
[???]きゃーっ!! 避けてくださ~~い!
[-]急に上がった叫び声がA-37の言葉を遮った。声がした方向から正体不明の飛行物体が私の顔に向かってすごいスピードで飛んできて……そして目の前でA-37にキャッチされた。
[A-37]このようにオムライスの奇襲もある。
[-]A-37は落ち着いた口調でさっきの話の続きを補完した。彼にキャッチされた物体をよく見れば、表面の卵が破けたオムライスを乗せた皿だった。卵部分が破け散るほどの速度で飛んできたのか……。
[小鳥遊雛田]ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……! 足が滑っちゃって~……。
[-]小鳥遊雛田さんは慌てて私の無事を確認すると、やっと安心してほっと息をついた。
[小鳥遊雛田]でもAさんが居てくれてよかった~……ううぅ……またやらかすところだったよ~……。
[お客さんA]雛田ちゃん今日もドジってるなぁ、はははっ。
[お客さんB]小鳥遊プロ、今日も達人技やらかさないように頑張ってね。
[-]周りの席のお客さんたちから、からかい混じりの笑い声が飛んでくる。どうやら常連さんのようだ。小鳥遊さんは軽く挨拶を交わすと、A-37からオムライスの皿を受け取り、また慌てながらキッチンキッチンと駆けだした。
[プレイヤー]でもあの部屋って休憩室じゃなかったっけ……。
[-]やはり、すぐさま小鳥遊さんは部屋を出て別の方向へ走って行った。
[プレイヤー]あはは……小鳥遊さん、こんなドジな一面があるなんて知らなかったよ。
[A-37]雀卓を囲んででしか会わなかったからだろう。彼女は雀卓では普段より攻撃的な性格だし、わからなくもないが。
[A-37]さて、今日の仕事をやるか。君は猫の爪を切ったことはあるか?
[プレイヤー]カフェの店員ってこういう仕事もやるんだ。
[A-37]店で飼育している以上、衛生面の問題も注意しなければな。
[選択肢]
・猫の爪を切った事がある
・猫の爪を切ったことがない
categoryStory:
ending:
choices: