[選択肢]
・グー
・チョキ
・パー
[三上千織]そ、そんな! じゃんけんで庶民ごときに負けたなんて!
[プレイヤー]千織様、罰ゲームですよ。
[三上千織]ぐ、ぐぬぬーっ! 挑戦よ挑戦、そのカードよこしなさい!
[-]千織が指差しているカードを引き、彼女に渡した。
[三上千織]「目の前の人と30秒間見つめ合い、瞬きしたらやり直す」……って、余裕じゃない。
[-]千織は顔を近付けてきて、目を見開いて私のことを真っ直ぐ見ながら、口先で小さく「30、29……」とカウントし始めた。
[-]だが意外にも、10秒経ったか経たないかという頃に、千織の目の縁が赤くなりはじめた。まるで本物のウサギになったみたいに。
[-]半分を過ぎた頃には、千織は涙を溜めて降参を宣言した。
[三上千織]な、何よこれぇ……。30秒瞬きしないなんて、人間にできるわけないじゃん……。うぅ……目が痛いぃ……。
[-]新たな一戦を始めようとしたところで、休憩室のドアが開き礼奈ちゃんが入ってきた。
[七海礼奈]みぃつけた、サボり魔スタッフのお二人さん。
[プレイヤー]い、いや、説明させて。これは新人教育なんだよ。
[七海礼奈]新人教育?
[三上千織]ほら、これよ……今朝璃雨に渡されて、カフェでバイトするなら必要なスキルだから絶対できるようにならなきゃだめだって言われたの。
[七海礼奈]「真実か挑戦か」ゲーム? ……ふむふむ、九条さんは千織ちゃんの制服を見て、うちがメイドカフェか何かだと勘違いしたんじゃないかな……? でも「エテルニテ」は普通の喫茶店だから、そういうサービスはな……いや、たまにはそういう楽しさを提供してもいいのかな?
[三上千織]ってことは、千織の練習は全部無駄ってこと?!
[-]礼奈ちゃんと目を合わせて、答えは心にそっとしまっておくことにした。千織はプンプンと怒り心頭のようだけど、九条さんのおかげで楽でたのしい午後を過ごせたのも事実だ。
[-]そんなこんなであっという間に今日の閉店時間になった。筋肉痛が今日の厳しさを物語っているが、なぜかとても充実していてたのしかった。好きな人と働くと、つらい仕事も辛くなくなっちゃうってことだな。
[-]今夜はちゃんと休んで、明日も頑張っていこう!
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