郷に入っては郷に従えというし……撫子さんの方に歩いていく。
[撫子]終わったか?
[player]うん。私達も一枚どうかって。
[撫子]ここで? ……、まぁ、いいけど。
と、しばらく迷いを見せたが最後には頷いてくれた。私たちは比較的人が少ない所を見つけ、そこで写真を撮ることにした。
[旅客]お二人とも、もう少し近づいて……そうそう、いいですよ!3、2、1、はい、チーズ! もう一枚!……
[撫子]……。
結局、何十枚も撮ってもらった。
[player]ありがとうございます。
[旅客]こちらこそ、ありがとうございました!
二人が満足気に去っていき、私と撫子さんはスマホに送ってもらった写真を見た。
[撫子]……。
[player]これ……。
ピンボケした背景に、逆光で顔が真っ黒。加えて私と撫子さんの表情も変だ。よく「上手い」って言えたな、お兄さん……。
深呼吸して落ち着こう。
[player]記念とはいえ、この写真はさすがに……。
[撫子]二度と見ることはないな。
そうそう、それ。
お互いの顔を見て、私たちは同時に笑いだした。
[player]あははは。撫子さんだよ、絶対に後悔しないって言ったの!
[撫子]こんなことになるとは思わなかったんだよ。あんたといるといつも予想外のことが起きるんだよな。
[player]でも、今日は誘ってくれてありがとう。なんだかんだ楽しかったよ。
[撫子]そっか。
撫子さんの表情から、嬉しさが伝わって来る。片眉が軽く上がったようにも見えた。
[撫子]実をいうと、あたしも楽しかった。
[player]じゃあ……また誘ってくれる?
[撫子]いや。
[player]いや……。
[撫子]今度はあんたから誘ってくれ。それに旅の計画を練るなんてのは、あたしの性に合わないしもうやりたくない。
[player]そこは任せて。
日が完全に落ちるまで、人混みの中で景色を楽しんだ。次はもっといい旅が出来るといいな。
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