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すぐに言う通りにする

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どんな事でも、引き際というものがある。それに、長い物には巻かれろって言うしね。
これからは絶対にエインを選ぶ、これからは絶対にエインを選ぶ、これからは絶対にエインを選ぶ!
……
え、……もしかして、要求を出したことを後悔してる?
いや、ずいぶん割り切るのがはえーんだなと思ってさ。どうやら、俺はまだまだ君という人間を知らねえみたいだ。
私も、エインがそこまでチーム分けを気にしてたなんて驚いたよ。
ははっ、それじゃ、これでチャラな。よし、今引き上げてやるよ。
「ヴーッヴーッヴーッ」携帯していたポイントカウンターが激しく震え出し、エインが私に「撃ち殺された」ことを告げる。エインが優しく手を伸ばしてきたその時、私はこっそりレーザー銃を構えて彼の頭にある感知器を狙い撃ちしたのだ。
……
嘘も方便っていうし、これも勝つためだから。
PLAYER~~!!!
怒れる狐の叫び声が森中をこだまする中、私は涼しい顔で静かに銃をしまった。
ポイントカウンターの集計結果により、PLAYERさんとゼクスさんのチームの勝利となります。おめでとうございます。
ゲームでは、それぞれのチームに「運悪く被弾」した者が出たが、ゼクスの戦闘力とハンナの超人的な迷子力により、最後には勝利を手にすることが出来た。
おい、もっと喜べ。こっちが勝ったんだからよ。
開始直後に穴に落ちちゃったから、ゲームに参加した実感もあまりないし……次は違う人と組んで、一緒に行動した方がいいかもな。
チッ、俺様の作戦が不満だったってことか?
まずい……ゼクスは耳がいいってこと、すっかり忘れてた……
ゼクス、違うってば……そ、その、勝てたことは本当に嬉しいよ。
なるほど、PLAYERは、誰と組むかより、勝てるかどうかの方が大事なんだな。
エイン!? い、いつの間に……違うってば……ほら、あの、エインとも一緒のチームになりたかったよ、本当だって。
!? んだば、PLAYERがチームとば組みてぐねがったの、わだげだが!? わ、泣いでまる……
ちょっと、なんでハンナまで……
おい、話を逸らすな。俺様に不満でもあんのか?
わは、たんだ一緒のチームでやりてがっだのに……
はぁ……PLAYERって、現金で冷たい奴だよな。
ぽろっと出た一言で、三人から集中攻撃を受けてしまい、私は順番に機嫌を取らざるを得なくなった。あまりの忙しなさに、心の中でこう思った。
あんまり友人が多いと、煩悩の種にもなり得るんだね……。