ガーターリング

「あそこのドラム、ちょっと遠い。でも大丈夫、こうやって尻尾で叩けば……ほら、ドン！　っていい音が鳴るだろ？　琳琅、賢い。尻尾もちょー器用。」

「すぅ……はぁ……。この歌は、普通の子な私に、私が持つ特別さに気付かせてくれた人のために、ありったけの想いを込めて書きました。だから……私の気持ち、聴いてください。じゃあ、行くよー！　3、2、1――！」

「ふふーん、世界一のボーカル様の初ライブへようこそ！……コラ、最前列三番目のお前！　今話聞いてなかっただろ！　この後、響様のグッズ十個お買い上げな！わかったか？」

「全く、こんな複雑なデザイン、端から一人で着ることを想定してないんだろうね。まぁいいや。僕はキミのためにこれを着たんだから、この後メンテしなきゃいけなくなったら最後まできっちり付き合ってくれよ。」