[-]「エテルニテ」での一日がまた始まった。客の少ない今の時間帯なら落ち着いた空間になるんだろうと思っていたが、店員目線で見てみると意外な一面を発見することができた
。なんというか……かなりの混乱、とでも言うべきか。
[一姫]にゃにゃにゃ……! 憎たらしい卵どもめ! 一姫の殻砕き拳を喰らうにゃー!
[七海礼奈]一姫ちゃん、殻のかけらはちゃんと取ってね~。
[-]キッチンに入ったとたん一姫とたまごの格闘劇が目に飛び込んできた。なぜか知らないが最近スイーツ作りに興味が湧いたらしく、ずっとキッチンに籠っている。石原くんに部員候補がうちにいることを知らせておこうか。
[-]そんなことを思っていると、どこか上の空なA-37がキッチンの隅っこにいるのを見かけた。こっちの騒がしさと真逆の世界にいるようで、梱包された出前の料理を無言で睨みつけている。気になって礼奈ちゃんに聞いてみた。
[プレイヤー]店長見習いさん、何があったの?
[七海礼奈]なんのこと?
[プレイヤー]A-37がぼーっとしているのが珍しくてね。
[七海礼奈]あー……でも私もよくわかんないの。デリバリーは普段Aさんが全部やってくれてるから、今日もいつも通りにやってもらってるんだけど、その注文をみたら突然あんな感じに……。
[-]いつも頼れるA-37がここまで固まるとは一体何事だ。話を聞こうと思って近づこうとしたけど、彼は背後から接近されるのが嫌いだったと思い出して、正面まで回り込んだ。
[プレイヤー]この注文、何か変なの?
[A-37]……ッ! あぁ、変と言えば、変だが……。
[-]デリバリーの詳細を見てみたら、注文されたのは「エテルニテ」特製オレンジソーダが2本だけだった。まぁまぁおいしいけど、コーヒーが売りのうちではたしかに滅多に注文されない一品ではある。
[-]注文の届け先は「蓮清花園」と書いてある。確か……ここからそう遠くない高級住宅街のはず。あそこに住んでいるということは相当なお金持ちだよなぁ……。
[-]A-37につられてかはわからないが、それほどのお金持ちが喫茶店のオレンジソーダを2本だけわざわざデリバリーで注文することに、どこか違和感を覚えはじめた。
[-]マップでルートを確認してみても、やはりすぐ届けに行ける距離だ。決めた。この注文は……
[選択肢]
・私が届けにいく。
・A-37を励まして配達に行かせる。
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