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八索

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それに、あがりがこの一度きりでは声がでかいだけの奴になってしまう。打点だって小さすぎる。逆転しなければと思うと、東四局に対するプレッシャーは増すばかりだ。 しかも、さっきライアンくんに逆転スーパーマジックを披露すると豪語してしまったのだから、こんなしょっぱい終わり方でいいはずがない。八索を切ろう! 私は赤五索を持ってくる以外に、もう一つの可能性にも期待をかけていた。 もう一度テンパイした所で、私が望む結果にはならない。三索ツモからの六索手出しでテンパイを維持し、理想形に繋がる牌を待った。ちなみにこの時の私の手牌は、一索、二索、二索、六索、西、西、西、三索、三萬、三萬、三萬、八筒、八筒、八筒という形だった。 予想外なことに、ライアンくんが次の一巡で切ったのは、奇しくも私がロン出来る二索だった。 [ライアン]お姉さま? 自分が切ったばかりの二索に私の視線が長時間注がれていることに気づき、ライアンくんは私が何を思い悩んでいるのか察したようだ。催促することもなく、私の選択を辛抱強く待っていた。