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入るしかないじゃないか

雀士: 
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[player]人工知能は未知の領域に対して、進んで探究しようとするって聞いたけど、杏樹はそうじゃないのか? まさか……。
[涼宮杏樹]は、反論します! KR-976は未知への探究に興味があります! ですがPLAYERのことが心配です!
[player]私のためなら大丈夫だよ、お化け屋敷なら何回か行ったことがあるんだ。なんなら中を案内してあげようか。
[???]よぉうこそぉお。
杏樹をお化け屋敷の前に無理やり連れてきて、入ろう入ろうと説得していたら、背後から響く低い男性の声。振り返ればそこにはピエロの化粧のスタッフがいた。
[ピエロ]本日のストレンジハウスは、特別にカップルの入場者にスペシャルステージをご用意しておりまぁす……。絶対に……見逃さないでくださいね……キキキキ……!
[player]私たちはカップルじゃ……。
私が話すのも聞かずに、ピエロは私たちをお化け屋敷に放り込んだ。
ストレンジハウス
想像していたような地面に叩きつけられる痛みはなく、私たちは何か柔らかいものの中に落下した。暗い照明の中で、わたわたと謎の柔らかいものから脱出して見てみると、それはスポンジプールだとわかった。ストレンジハウスは確かにその名の通り奇妙だった。
実はさっきの話は嘘で、私も初めてのお化け屋敷だ。蝋燭の形状をしたライトが手前の方をほんの少ししか照らしておらず、暗さがおどろおどろしい雰囲気をよく醸し出している。
壁に隠されているスピーカーから怖い音が流れ続けていて、杏樹も私も恐ろしさのあまり手を取り合い、恐怖にブルブルと震えていた。
ここまで怖がるとは思わなかった。ちょっと申し訳なさを感じつつも、戻ることもできないし、杏樹の背中をポンポンしながら話しかけた。
[player]杏樹、前に進むしかないみたいだ。一緒に先の方を見てみよう。
杏樹は何も言わずに強く頷いた。
まっすぐな道は長くなく、すぐ曲がり角についた。お化け屋敷は曲がり角に仕掛けやスタッフを設置しがちなので、心の準備をする。
杏樹をここで待機させて、先に私だけで曲がり角の先の様子を見ようと一歩足を踏み出したら、角を曲がった瞬間に大きな網に包まれ、空中に吊り上げられた。放送からはピエロの声が聞こえてくる。
[ピエロ]おめでとぉう! ぱちぱちぱち。ストレンジハウスのカップルステージ、起動成功でぇーす!
いやスイッチを踏んだら吊りあげられる装置ってどう考えてもこわすぎるでしょ。起動しない方がおめでたいやつじゃんこれ。
[ピエロ]おとぎ話のなかでは、勇敢なるお姫様はみんなドラゴンを倒して勇者を救い出すのです。お姫様、今回はあなたが一人で次のゴールに向かい、魔法のアイテムを探して君の勇者を救う番です。キィッヒヒィ……!
めちゃくちゃなおとぎ話は放っておいて、杏樹を一人で先に行かせるなんてあまりにも無茶な話、心配で仕方ない。いっそのことギブアップしてスタッフに助けを求めようかと思った。
[涼宮杏樹]PLAYERさんは、KR-976のせいで吊り上げられたのですよね。もし、もしKR-976にもっと勇気があれば、一緒に曲がり角を曲がっていたら一人で吊り上げられなかったのに……。
[player]こんなの仕掛けの一環だって。杏樹は気にしなくていいよ。
[涼宮杏樹]断ります。
涼宮は怖さでずっと垂れていた頭を上げて、恐怖を振り払うためか、覚悟を決めたようにこぶしを握った。
[涼宮杏樹]KR-976は絶対にPLAYERさんを救い出してみせます。
杏樹の後ろ姿がすぐさま暗闇に消えていった。ストレンジハウスのカップルステージって、最初の関門で度胸のある一人を閉じ込めて、臆病な方にこの後の恐怖のステージを挑戦させる仕組みなのか。なんて悪趣味な。
わずかな光のおかげでこの後のステージがぼんやり見える。壁と地面は保護材が張られているから、杏樹が転んでも怪我することはないだろうけど、彼女にステージをクリアできるほどの勇気があるかどうか……。
杏樹が魔法のアイテムを探しているのと同時に、私も頑張って網から抜け出す方法を探していた。きょろきょろと周りを見渡すと、手が届くところの壁に小さな隠し扉があった。その収納の中に隠されていたのは、なぞなぞを書いた紙切れだった。
アリス、チェシャ猫、マッドハッターの前には九枚の麻雀牌がある。//n索子 : 2、3、5//n萬子 : 3、5、7、9//n筒子 : 2、7
赤の女王はこれらの麻雀牌をすべて隠して、一枚だけ手に握った。女王はその一枚の牌の数字をチェシャ猫に教えて、模様をマッドハッターに教えた。//nそして、赤の女王は三人に問いかけた。「わたくしの手にあるこの牌が何なのか、当ててごらんなさい。」
チェシャ猫はこう言った。「オイラはこの牌が何の牌か知らんにゃ。」//nそしてマッドハッターはこう言った。「わたしは君が知らないと知っている。」//n「今オイラはこの牌が何の牌にゃのかわかった。」とチェシャ猫。//n「わたしもわかった。」とマッドハッターが言った。
アリスは二人の話を聞き、少しだけ考えて正解の牌を当てることができた。
さて、赤の女王が選んだ牌は何の牌だったのか?
紙切れの裏には赤字で書かれた警告のメッセージ。
慎重に考え、答えを大きな声で叫びなさい。//n正解した者のパートナーには魔法の加護が与えられ、無事にゴールでアイテムをもらえるでしょう。//n誤答した者のパートナーは悪魔に呪われ、ステージの難易度は倍増するでしょう。
どれを選べばいい?

選択肢: