[player]……サラさん、ごめんなさい。
[player]大事な勝負ですし、素人の私にはとても背負えませんよ。代わりと言ってはなんですが、斎藤さんに適任者がいないか聞いて来ます。
[サラ]あなた……。ううん、謝らないで、いきなり持ち掛けた私が悪かったわ。あなたがこの役にとても合うと思ったから提案したけど、あなたの言う通り、大きな勝負の責任を背負わせるなんてよくないわね。
[サラ]キャスティングはこちらでなんとかするから、あなたは心配しないで。それより、ステージ、絶対に見に来てよね~?
[player]もちろん、客席から精一杯応援します!
[サラ]フフっ、それじゃお願いね~。
[ドン・ホセ]逃がさない! たとえ血を流しても君を二度と離さない、カルメン! 俺と一緒に来るんだ!
[サラ]いいわ、そんなにあたしの自由を奪いたいのなら……殺したらいいんだわ!
ステージの上、衛兵のドン・ホセは狂気を帯びた表情でナイフを鞘から抜き、自分を狂わせた女・カルメンに近づく……。
闘牛士のエスカミーリョが群衆の歓声の中再びステージに戻った時、そこにあったのは恋人の変わり果てた姿だった。
カルメンの周囲に散らばったバラの花びらが風に舞い、彼女の魂が解き放たれたことを表現する。
[player]……ブラボー!
一ヶ月後、「Soul」の特別公演は歓声と拍手の中で幕を閉じた。普段やらないオペラでも完璧に役を演じ切ったサラさんはもちろん、オレヴィさんも宣言通り少ない出番の中で自分の演技力を存分に発揮し、観客たちの目を奪った。
「君がその気にさえなれば、「Musae」はいつでも君を迎え入れるからね、サラちゃん」という言葉を残し、オレヴィさんはサーカスを去った。
衛兵のドン・ホセ役は、オレヴィさんの団の方がやることになった。二人の勝負を邪魔しないよう、いい塩梅に役を演じていて、間違いなくプロの役者だった。彼女とサラの共演を見て、そこにいたのは私だったかもしれないんだよな、なんて思い、ちょっとだけ後悔した。
[player]ああいう風に勝負を邪魔しなければいいのなら、もしかして私でも出来たのかなぁ……。
あの時、もう少し詳しく話を聞けばよかったかも。
とは言え、オレヴィさんとサラさんの勝負はこれからもあるだろう。
[player]次こそ、チャンスを掴んでみせるぞ……!
Character:
categoryStory:
ending: