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[player]はいはい、奢るよ。
[藤田佳奈]さすがPLAYERさんやさしー!
カフェに入り、二階堂さんの後ろの席に座った。ボックス席なので、背もたれの高さがうまく二階堂さんたちの視線を阻んでくれている。
しばらく話の内容を聞いてはみたものの……。
[藤田佳奈]い、いったいなんの話なんだろ。使ってるのは普通の単語のはずなのに、何を言ってるのか意味が全然わからない……。
[player]地名っぽいのは聞き取れたけど……。
[藤田佳奈]はぁ~、もうなんなの? カップルのデートってこんなに退屈なわけ? 私が出演したドラマではもっとこう……甘い言葉を掛け合ってくださいって監督が……。
[player]まぁ、カップルだという証拠もないんだし。
[藤田佳奈]一緒にカフェに入ってるじゃん!
[player]私たちもだけどね。
[藤田佳奈]確かに……。なーんだ、誤解だったのか! ちぇ~っ。まぁいっか、一緒に買い物とか行かない?
[player]ええ? なにその切り替えの速さ……ってか私も行かなきゃだめなんだ?
[藤田佳奈]だって佳奈ちゃん一人じゃうまく変装しきれないじゃん? キミが一緒にいれば、たとえファンにバレそうだとしても「まぁ、あのアイドルの佳奈ちゃんがまさかこんな一般人と一緒にショッピングなんてするわけないし、見間違いか。」って勝手に納得してくれると思うの!
なんて不条理な理由なんだ……。かくして私は佳奈ちゃんの買い物に付き合わされることとなり、結局二階堂さんに話を聞くチャンスは巡ってこなかったのであった。
また今度聞いてみるか。