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ゆずの味方

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[player] ゆず一人じゃカーヴィに勝てないだろうから、ここはゆずの味方をするよ。
[ゆず] キュル! 助けなど無用なのだ!
[player] 味方になるって言ってるのに……
[ゆず] キュルルゥ、PLAYERの気遣いはわかっているつもりだ。しかし、正義の魔女はこんなことで見下される訳にはいけないのだ。
[-] カーヴィは私達の様子を眺め、意味ありげな笑みを浮かべて、不意に私の腕に絡みついた。
[カーヴィ] 助けると言うのなら、「器」が大きい方を助けるのが筋じゃない?
[player] え?
[-] 何やら罠のような気もするな……同意すべきかどうか……
[ゆず] キュル! お、おお、おまえ……何てデタラメを!
[カーヴィ] フフ、沈黙は肯定ってことよね、PLAYER?
[player] いや違う、いい加減なこと言わないでよ。
[player] ゆず、聞いて。ゆずは十八歳なんだし、もうお子様じゃないでしょ。
[-] 急速に冷え込んだ空気に、私はゆずの地雷を踏んだことに気付いた。
[-] 十五分後
[-] ゆずを何とかなだめ、カーヴィへの恨みつらみは一旦忘れて、仕事ぶりを公正に審査するよう説得出来た。
[来園者A] こんにちは、告白する場所を探してるんだけど、何かいい案はありますか?
[カーヴィ] 少々お待ちください……では、カードを一枚、向きを変えずにめくってください。
[カーヴィ] ……「星」の正位置……シリウスの導きによると、告白にふさわしい場所は東南と出ています。
[来園者A] なるほど、ありがとうございます! すみません、ついでにお手洗いの場所も教えてもらえますか?
[カーヴィ] 左手にあります。この先をまっすぐ行ってください。
[player] 普通に道案内してるね。
[ゆず] ゆずが近くで見張ってるから真面目にやってるだけに決まってるのだ。キュル……しかし、他にパトロールしないといけない所もあるし……
[player] ていうかそもそも、ルールを守ってないのはカーヴィじゃなくて、警備員の方だったんじゃ?
[ゆず] キュル!? そ、そ、そ、それは違うぞ!{var:Shake}
[player] ゆずはカーヴィを助けようとしたんだよね、わかってるよ。
[ゆず] ピィ~~~!
[ゆず] し、仕方ない、インチキ占い師のことは今回は見逃してやる。でも、時々見に来るからな、ゆずがいない間に人を騙すようなことはするなよ!
[カーヴィ] フフフ……ご苦労様。
[-] 出鼻をくじかれてしまったものの、ゆずはへこたれることなく、「悪い子」探しに精を出した……
[藤本キララ] うわっ、このアイシャドウの新色、夏にピッタリすぎん!? これはマストバイっしょ!
[白石奈々] マジ? ……んー、ちょっとウチには濃すぎないかなぁ……? 他の人にもアドバイスもらおっかな?
[ゆず] キュル! 歩きスマホはやめるのだ! 危ないのだ!!
[player] 二人なら、こういう色も似合うんじゃない? やってみないとわからないこともあるしさ。
[ゆず] キュルルゥ、おまえも、なんですぐ輪に入ってるのだ~!
[ぽややん] メェ~!
[エリサ] わぁ~、さすがサムコーポレーションの遊園地、芝生もぽややんがウキウキで食べちゃうほど新鮮なんだね! こんなみずみずしい芝生、一体いくらかかってるんだろ……
[ゆず] キュル! 芝生を破壊してはいけないのだ! エリサ、ぽややんを止めるのだー!
[エリサ] え~!? ぽややんがこんなに喜んで食べてるんじゃ、リサリサには止められないよ! 助けて~、オオカミさ~ん!{var:Shake}
[player] 手伝うよ……うわ、ぽややん、力つよっ?! この草、何か怪しいもの混ぜたりしてないよね!?
[撫子] ハハッ! 天気もいいし、外で一杯やるには最高の日だよ!
[如月彩音] もう、千穂理ちゃんったら、こんな所でも取材に行っちゃうんだから。ここまでワーカホリックだと、いい男を逃しちゃうわよ~!
[ゆず] キュル! 如月先生、撫子先輩、園内は飲酒禁止、酒乱はもってのほかなのだ!
[如月彩音] ゆずちゃん、そうカリカリしないで。遊園地は楽しむことが一番なんだから。
[ゆず] とにかく、これ以上は飲まないでほしいのだ。このお酒は全部没収……キュル? そこのおまえ! 今すぐやめるのだ!
[player] ……ん? あれは、未来か?
[-] ゆずと共に向かった先には、ドライバーとレンチを手に持ってナビロボットを見つめている未来がいた。
[未来] この子、ちょっとおバカさんだなぁ。システムがちゃんと動いてないのかも。どれどれ……ここを開ければ、僕のコンピューターちゃんに接続出来るから……
[ゆず] キュル! 園内のロボットを勝手に改造してはいけないのだ!
[未来] ええー? ちょっとシステムをいじっただけだし、暴走とかはしないと思うけどなぁ。
[player] 最悪のパターンは故障じゃなくて、暴走なのか……わかった、わかったからその凶器をしまって。ほら、未来が接近する歩幅にあわせて、そのロボットが後退しているじゃないか。この防犯意識の高さからして、十分賢いと思うよ。
[-] ゆずと一緒にあちこちでパトロールし、ふと近くの時計を見上げると、いつの間にか一時間以上経っていた。ゆずは大体数分おきに声掛けをしていて、思ったより遊園地には「悪い子」がいるんだな、と思った。
[-] しかも、捕まったのは揃いも揃って知り合いだ。うわっ、私の知り合い、全員フリーダムすぎ……?
[player] ……いや、私はゆずの言う通り甘かったのだろう。ゆずのパトロール活動を通して、多様性というものへの理解を少しばかり深められた。
[player] ゆず、疲れてない? 休憩しなくて大丈夫?
[ゆず] ちょっと疲れてきたぞ……ところで、PLAYERはなぜゆずとパトロールしてるのだ? 遊びに行こうとは思わないのか?
[player] 言われてみればなんでだろ……まあ、これだけの時間付き合ったんだから、今さら理由なんてどうでもいいよ。
[player] けどさ、いつまでパトロールするつもりなの? この遊園地は広いから、隅々までパトロールして回ってたらヘトヘトになっちゃうよ。
[ゆず] ゆずも同じことを考えてたのだ。こういうときは、空を飛べる鳥が羨ましくなるな。キュルルゥ……ゆずも空を飛べたら、誰が悪さをしてるのか、簡単に見つけられるのに。
[player] 確かに、高いところからの方が見つけやすいよね……あ、あった。ゆず、いいことを思いついたから、行こう。
[ゆず] キュル? あの高い所から落っこちるやつか?
[player] そう。このアトラクションで上まで登れば、園内の様子も見やすいでしょ?
[ゆず] キュルッ! PLAYER、ナイスアイディアなのだ!
[-] 言うが早いか、ゆずは私の腕を掴んで園内最大のドロップタワーに乗り込んだ。しかし、シートに身体が固定されると、段々と緊張が強くなるのが伝わってきた。
[ゆず] PLAYER……頂上まで行ったら、ゆず達は突然落とされてしまうのか……?
[player] そうだよ、今頃怖くなったの? あんなに思い切り良く乗り込んだから、こういうの怖くないんだと思ってたよ。
[ゆず] おまえが名案を思いついたとばかり思って、あまり深く考えずに乗ってしまったのだ……キュルルゥ、足が、足がぷらぷらしてるのだ!
[player] 下を見れば見るほど怖くなっちゃうよ。落ち着いて、この後のことは深く考えずに、風景を楽しむアトラクションだと思えばいいから。
[ゆず] そう言われても……
[player] まだパトロール中だってこと、忘れたの? これで、悪い子は隠れられなくなるんだよ。正義の魔女ともあろう者が、奴らを捕まえるチャンスをみすみす逃すの?
[ゆず] そ、そうだ、これは絶好の機会なのだっ……ふぅ……はぁ……ゆずは緊張などしていない……し、下さえ見なければ……
[ゆず] ……キュル! 如月先生達、また飲み始めてるぞ!
[player] ちょっと目を離した隙にあんなに飲んでる……これが終わってから行ってももう寝ちゃってるかもね。
[ゆず] キュルッ、あの水族館、魚の形をしてたのか。ただの楕円形だと思ってたぞ。
[player] 本当だ。建物の正確な形って、上の方から見ないとわからないものなんだね。
[player] ……停まった、もう頂上まで来たのかな?
[ゆず] キュル? PLAYER、見ろ! アイツ、動きが怪しくないか?
[player] えっ、どこど、こォオオーーーーー!?{var:ShakeScene}
[-] どこに不届き者がいるのか確認出来ないまま、強烈な浮遊感に襲われた。感覚を取り戻す頃には、もうゆっくりと地上に降ろされていた。
[player] ふぅ……跳ね返るタイプじゃなくて良かったよ、スリルも一回だけで済んだし。ゆず、大丈夫?
[ゆず] ……
[player] ゆず?
[-] まずい、あまりのスリルに気絶してしまったか?
[ゆず] ……見えなかった。
[player] え?
[ゆず] キュルルゥ、落下スピードが速すぎて、アイツが何してるか、よく見えなかったのだ。
[ゆず] しかも、全体の片側しか見られなかった。PLAYER、今度は反対側の席から観察するぞ!
[player] う、うん……
[-] 結局合わせて四回ドロップタワーに乗ったが、それでもゆずは隅々まで完璧に調査出来たと思えなかったらしい。あらゆる角度から園内を観察すべく、私を引きずり、ジェットコースターやバイキングといったアトラクションに次々と乗り込んだ。
[ゆず] こんな素晴らしいパトロール方法がいくつもあったとは、知らなかったのだ! キュルルゥ、初めから遊……いや、観察に入っておけば、あちこちパトロールして疲れることもなかったのに……!
[player] は、ハハハ……有効だったみたいで良かったよ。
[ゆず] いろんなアトラクションを試したが、ジェットコースターが観察するのに一番適してたのだ。
[ゆず] キュルルゥ、PLAYER、もう一回ジェットコースターに乗るぞ!