You are here

……つまり、ゲームは人生のようなもので、敗北が勝利になることも、勝利が敗北になることもあるってこと

jyanshi: 
categoryStory: 

……つまり、ゲームは人生のようなもので、敗北が勝利になることも、勝利が敗北になることもあるってこと。 私はため息をつき、心許ない気持ちになりながら、すっかり軽くなってしまった財布に触れた。 ただいつものように、エテルニテでスイーツをつつきながらオンライン麻雀の友人戦を始めたら、思いがけずツイていて連勝した。そこで、友人兼対面の白石奈々に思い切りおだてられて、「次も勝って白石さんと水泳部員に飲み物を奢る」というフラグをまんまと立ててしまったのだ。 気付いた時には、何もかもが遅かった。 レジで会計する。届いたデリバリーを手にアッハッハと笑う白石さんの姿がはっきり想像出来た。 カランコロン…… うーん、このドアベルの音、やっぱいいよなあ。 [三上千織]……PLAYER? 少女の驚いた声に意識が向いた。店に入ってきた二人は、なんと千織と九条さんだったのだ。 [player]やぁ奇遇だね、千織、九条さん。しばらく会館で見かけなかったけど、忙しかったの? [三上千織]……本当に奇遇よね。璃雨、まずはPLAYERから試すわよ。 [九条璃雨]かしこまりました、千織様。ではPLAYERさんから試します。 二人分の視線が私を射抜き、何となく不安になってきた。 [player]……笑い話でもする? ゲームだと、こういう意味深なNPCとの会話があったら、その先にはあっと驚くような展開が待ち受けてるのってあるあるだよね~。もしかして、そういう系の実験とか? [九条璃雨]PLAYERさん、質問です。 [player]本当にそういうパターンかい! その問題用紙、いったいどこから……というか、どうしていきなりクイズを!? [九条璃雨]第一問、千織様の好きなコーヒー豆の品種をお答えください。 まあそれはいったん置いといて、千織の好きなコーヒー豆の品種か……この問題の答え、どこかで見たような。